太陽が一杯一杯

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS さかさまの靴80s/☆エピソード 0☆

<<   作成日時 : 2007/04/09 02:25   >>

トラックバック 2 / コメント 0

『僕は誰よりも君の事を知っている』
『だけど・・・・』
『君は僕の事なんて覚えていないだろう』


僕は君の事を、幼い頃から見てきたんだ。
君は親の顔さえ見た事が無かったよね。
気が付いた時には孤児院にいて、たった一人の妹にしか、心を開けないように見えた。

あの頃の君は、そこの園長先生に我が子のように可愛がられていたよね。
だけど、君は、その園長先生が嫌いだった。
そうではないか、君は、あの頃から、大人の人が嫌いだったのかな?
生まれて、すぐに、親に裏切られた君は、
誰も信用なんて出来なくなってしまっていたのかな?

だけど、それは、僕達が望んだ事だったはずなのに・・・・。

しばらくして、妹が何処かの家に引き取られてしまう事が決った時、
君は、生まれて、初めて暴れたんだ。
どうしようもない、現実が降りかかってきた時、
何も出来ない自分が悔しくて、悲しくて、情けなくて、
小さい自分には、守りたいものさえ、守れなくて。

だから君は強くなろうと思ったのかな?

そんな君の事を思って園長先生は優しく包もうとしてくれたね。
君が寝る時、いつも、オトギバナシをしてくれたのは園長先生だった。

よく話してくれたのが『100万回生きた猫』の話。

だけど、君は、その話が始まると、いつも、気分が悪くなった。
君は、その時から分かっていたのかな?

後悔しない生き方なんて何処にも無いって事に。

だったら、「100万回も生きなくちゃいけない」と言う事に・・・・。

そんな、愛想の無い君の事を思って、
園長先生は皆と仲良くなれるように、あだ名を付けてくれた。

「波瀬ッチ」

そう、君の名前は波瀬ッチ。

だけど、波瀬ッチは、その、あだ名で呼ばれると、返事をしなかった。

別に、皆と仲良くする事が、嫌だったわけじゃないんだよね?
ただ、又、裏切られて一人になる事が怖かったんだよね?
誰かに頼って、自分が知らない間に裏切られ、惨めになる事に怯えていたんだよね?

だから、波瀬ッチは・・・・・。

傷つかないように、後悔しないように、進みたいと思ったんだよね?

そんな波瀬ッチも、10歳の時にある家に引き取られた。
だけど、波瀬ッチは、高校を卒業すると同時にその家を飛び出した。

波瀬ッチは、妹を探しに出かけたのかな?
子供の頃に叶えられなかった事を、いつまでも忘れられなかったのかな?
それとも、今なら出来ると思ったのかな?

だけど、その後、波瀬ッチはどうなった?

本当に後悔しない、生き方を選べたのかい?

僕から見たら、波瀬ッチは、さかさまの靴を履いているように見えたよ。


『僕は誰よりも波瀬ッチの事を知っている』
『だけど・・・・』
『波瀬ッチは、僕の事なんて覚えていないだろう』



『エピソード/1』に続く。
  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 1☆』

  • 設定テーマ

    関連テーマ 一覧

    月別リンク

    トラックバック(2件)

    タイトル (本文) ブログ名/日時
    さかさまの靴80s/☆モノローグ☆
    ミカタを変えたら、世界はひっくり返る ...続きを見る
    太陽が一杯一杯
    2007/04/13 10:24
    さかさまの靴80s
    『さかさまの靴80s/☆モノローグ☆』 ...続きを見る
    太陽が一杯一杯
    2007/06/20 09:11

    トラックバック用URL help


    自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

    タイトル
    本 文

    コメント(0件)

    内 容 ニックネーム/日時

    コメントする help

    ニックネーム
    本 文