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○●さかさまの靴80s○●

2007/06/20 09:11
ミカタを変えたら、世界はひっくり返る。

それぞれの『思う』を僕達は、どれだけ理解するのだろう?
それぞれの『コトバ』を君達は、どれだけ飲み込むだろう?
偶然に重なった足跡の先に見える、それぞれの『道しるべ』

僕と君の視線から描かれる一つの物語。


  • 『さかさまの靴80s/☆モノローグ☆』



  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 0☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 1☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 2☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 3☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 4☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 5/1☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 5/2☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 5/3☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 6/1☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 6/2☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 6/3☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 7☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 8☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 9☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 10/1☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 10/2☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 11☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 12☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 13☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 14/1☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 14/2☆』


  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 15☆』



  • 『さかさまの靴80s ☆さかさまの靴を履く人々☆』

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    ケロンパスの言い訳/☆エピソード 1☆

    2007/06/18 16:31
    昔は和傘作りで有名だったこの町も、今では過疎化が進み、
    大勢の子供達でにぎわっている公園など、何処を見渡してもなく、
    ガランとして、動く事のないブランコが寂しそうにしているのを見ながら、
    子供の頃に習った社会の授業のドーナツ化現象みたいな事を思い出していた。

    しかし、この町には中心と呼べるモノも特になく、
    ドーナツの形にさえならないんだなーと思い、片手でブラインドを少しめくり、
    外の景色を眺めながら、アンパンを食べている、東山大輔の姿がそこにあった。

    東山大輔。

    彼は、ここ山川市の市役所で働いている職員の一人である。

    まあ、市役所と言っても、そんな大きな施設ではなく、
    2桁にも満たない職員の数で、どちらかと言うと田舎の役場といった感じなのだが、
    澄み切った空気と、濁っていない水道水が出るこの環境に東山は、意外と満足していた。

    毎日、特に変わらないエンドレスな日々は、
    アフター5を楽しむにはモッテコイの環境なのかもしれない。

    しかしながら、アフター5の楽しみと言っても、
    17時過ぎて、遊びに行くような施設も特になく、
    学生の頃にした『夜遊び』で楽しめる年齢でもなくなってしまった東山の遊びなんてのは、
    時折、仲の良い社員で集まってやる、麻雀大会ぐらいなモンである。

    20代半ばで結婚して、今では5歳の子供がいる東山だったが、
    最近では家族の為と言う名の『シバリ』にも似た感覚だけが、
    重く積み重なっているようにも思えていた。

    未来の安定を求めて公務員になったものの
    『何をやってるんだ』と言う感情とは裏腹に湧き出す『しかたないか』
    と言う思いは、案外バランスが取れているのかも知れない。

    そんな東山も社内では『主任』と呼ばれていて、居心地が悪い環境ではなかったのだが、
    あまりにも飛び出ている顎(アゴ)のせいで、
    影では、モアイと呼ばれている事に気付いていない事も彼の痛さの一つだったりする。

    そして今日も・・・・・。
    そんな、モアイ主任、東山の視線の先には、中東アジア系の外人の姿があった。

    「結婚したいのよ」

    そのセリフを言いたいが為に、毎日のように、この古ぼけた役所に訪れる外人アケミ。
    彼女の何を言っているのか分からない苦情を担当しているのは、
    何ボリックあるのか分からないような体をしている職員の筒井直希。
    毎日、朝10時から1時間にも及ぶ『苦情と言う名のコント』の世間話をしているようだが、
    いたって、話の本筋は見えてこない。

    アケミは毎日、結婚届けに自分の名前だけを書いて、結婚したいとのだと、受付に現れる。
    カウンター越しに、毎日、毎日、「一人じゃ結婚できないでしょ」と対応している筒井、
    本当に何をしにきているのか分からない彼女に心底、疲れた顔をしている彼だったが、
    最近では、その会話を楽しんでいるようにも見えた。

    毎日、毎日、1つの行事であるかのように行われている、その光景を、
    主任の東山は、あまり興味なさそうに眺めていたが、
    ふと目の前にある置時計が目に入った。

    よくよく見ると時計の針は11時の所をさしていた。

    東山は、そろそろ、いい時間だと思い、
    自分の机の上にある専用のマイクを使って、
    傍から見たら、まるで、じゃれあっているようにも見える2人に声をかけた。

    『筒井君、筒井君、至急1番テーブルまで来てください』

    誰が見ても決して広いとは言えない役所内だけに
    東山と筒井の距離は目と鼻の先であったにも関わらず、
    主任のマイクを使ったアナウンスは、
    館内に全体にこだまするかのように響きわたった。

    アケミは一度、モアイに良く似た主任を見据えると、
    今度は筒井に目をやり、少し不機嫌そうな顔で言葉を投げかけた。

    『アンタ呼ばれてるよ』

    筒井も、もうそんな時間なのかと思い、
    いつものように、丁寧な口調でアケミに、こう尋ねた。

    『あっハイ、あっ、すいません、少々お待ちいただいてもよろしいですか?』

    するとアケミは。

    『早く行ってきなよ、いつもみたいに、又、怒られてくるんでしょ?』

    と言葉を返した。

    筒井は心の奥で「誰のせいだと思ってるんだよ」と思ったが、
    また、面倒が起こると判断したのか、思いのたけを口に出す事はせず、
    『それでは奥の席でお待ちください』とアケミに声をかけ、
    アケミが奥に歩いて行くのを確認した後に席を立ち、主任の元に歩きだした。

    すぐに目が合った主任に最初に声をかける筒井。

    『マイク意味ありますか?』

    キョトンとした顔で筒井を見ている主任。

    筒井はマイクがなくても聞こえますよ、と言う事を主任に強く主張したが、
    主任は、あーそう、と言う顔をした後に、
    こう言うのは雰囲気が一番大事だから、と意味の分からない事を言った後に、
    厳しい表情になり、筒井を一括した。

    『何時間、話してるつもりなの?』

    筒井は少し、複雑な気持ちを抑えながら、主任の目を見据えながら言葉を一つ発した。

    「僕だって、仕事じゃなけりゃあんなのとは話しませんよ・・・」

    筒井は、昔は差別みたいな言葉が嫌いだったハズなのに、
    なぜ、そんな言葉が出たのか自分でも疑った・・・。
    しかし、よくよく思い返してみると、
    最近の自分の口から出る、
    言い訳みたいなものが日に日に旨くなっている事をあらためて実感した。

    そんな、ポカ〜ンと、アホ顔で、
    何か考えているような、
    何も考えていないような、
    筒井に向かって主任モアイは、
    とにかく、ちゃっちゃと追い返しなさいよと言葉を投げかけた。

    すると筒井は、そんなに言うんだったら主任が追い返したらいいじゃないですか、
    と言葉を返し、ああでもない、こうでもない、と二人でつばぜり合いにも似た、
    くだらない討論が始まった。

    そんな光景を毎日見ている、アケミは、自分の事で皆が困っているなんて事はさておき、
    奥でイライラし始めていた・・・。

    みんなの行動をいたって冷静に見ているこの役場で唯一女性に桜田は、
    いつものように、いたって冷静に、そして親切にアケミに声をかけた。

    「今日の所は、お引取り頂いてよろしいでしょうか」

    その言葉に妙に苛立ちを覚えたアケミは、いきなり桜田に突っかかってきた。

    「なに偽善者ぶった顔して調子にのってるの?このぺチャパイ女が」

    一瞬、全身の血の気が引いて、
    エンジンが回りだすかに様に血液が回り始めた桜田であったが、
    職員とお客様と言う事もあり、取り乱しそうになる感情を一瞬にして抑えたが、
    さらに、罵倒にも似た言葉が桜田を襲った。

    「もしかして、アンタ、自分の事、美人だとか思ってるの?大体ね、アンタみたいに偽善者ぶってるような顔してる女が裏で何やってるか、分かったもんじゃないのよ、この意味わかる?」

    一瞬、唖然とした桜田だったが、次第に顔は真っ赤になっていき、
    今にでも噴火してしまいそうなその顔は限界を超えた。
    そこに、いち早く筒井が駆けつけたが、待っていたのは・・・・。
    丁度カウンターのように筒井の顔に炸裂した桜田の黄金の右手だった。

    脆く崩れ落ちる筒井の姿は、まるで麻酔銃で打たれた、熊が崩れ落ちるかのようだった。

    そして、次に筒井が起き上がった時には、もうアケミの姿は無かった・・・。

    筒井の目に映っていたのは、自分の事を優しく介護してくれている桜田の姿だった。

    何が起こったのか未だに理解に苦しむ筒井だったが、
    今はそっと眠っておこうと、そう心に決めた。
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    ケロンパスの言い訳/☆プロローグ☆

    2007/06/16 09:25
    『☆ 田川 楊枝の目線 ☆』

    ある日、僕は『ケロンパスの言い訳』と言うタイトルのブログを見つけた。
    そこには、公務員であろう人が書いている文章が載っていた。

    う〜ん。

    これでは、僕がいろんなブログを興味本位で、
    探している、変なオタクに思われてしまうので、
    初めに言っておかないとだけど。

    僕はブログと言うモノは、正直あまり好きではない。
    それは、そこには、様々な感情が、いたって簡単な文章で書かれているからだ。

    誰に向けているのか分からない文章。
    たわいのない日常の悩みや愚痴を書いて自己満足している文章。
    誰かの悪口を書いているだけの、虚しい文章。

    もちろん、そうじゃなく、楽しい感じのモノもあるわけなのだけど、
    大抵は、読んでいる、こっちまでが暗くなってしまうようなモノが多いのだ。

    そんなモンは、裸で町を歩いているのと変わらないように思えてしまうのである。
    日記を知らない誰かに読んでもらっているのと変わらないわけじゃないですか。

    個人情報を守りたいと思うのであれば、その前にやる事あるじゃないですか。

    まあ、そんな事を言ってみたところで、
    また、暗そうなブログを発見しては読んでしまう僕も、
    大概キチガイの部類に入ってしまう訳ですが・・・・。

    好きと嫌いは、本当に裏表の感情なのだ、
    と確信にも似た感情を抱いては、ちょっと苦笑いをしながらブログを読み始める僕。

    そのブログはタイトルの通り、
    ケロンパスと言うニックネームの人が書いているようだった。
    初めの書き出しの文は、こんな感じだった。

    和傘作りで有名だった、この町も今では、寂れて行くばかり。
    変わらない景色と、変わっていく若者の数を見て、キッカケさえ、あれば変わるのに・・・・。
    そんなくだらない事を思いながら、今日も淡々と仕事をこなしていく。
    公務員なんて、大して代わり栄えのない仕事だけど、
    未来に不安を持つ事は少なくなっていくようにも思えてきた。
    毎日、特に変わらない事の繰り返し、
    どんな仕事を選んだとしても、繰り返しの日々は変わらないんだと思うし、不満は特にない。
    ただ・・・・充実はしていないのだと思う。
    何がしたいのか?何をしたら愛想笑いが消えるのか?
    そんな事を考えて苦笑いする事にも、もう、すっかり慣れてしまった。
    やたい事、なんて、そうそう、見つかるもんでもないし、
    やりたい事、やれてる奴が幸せかどうかも、わからない・・・・・。
    そう・・・・ただ、いつも僕は傍観者なんだ。
    くだらない事で本気で笑えてた、昔の自分を思い返して、
    変わってしまった今の自分と睨めっこして苦笑い。
    そんな曖昧な時間が流れて行く中、
    僕はいつも「もし」と言う世界を想ってしまうんだ。
    選択肢は二つあって、違う道を歩けていたら・・・・。
    そしたら僕は今と言う時間を本気で笑えてるだろうか?
    そうやって、僕はくだらない「言い訳を」日々、想像しながら暮らしている。


    暗い・・・そして・・・クダラナイ。

    そんな事を考えながら、僕は、すぐにお気に入りに入れてしまった。

    そんな人の事なんて興味がない・・・・。
    ハズなんですけど、ちょっと気になるじゃないですか。
    彼がこの後にどんな事を書くのか。

    僕は彼の事なんて知らないし、どんな事をしているのかも知らない。
    だけど、やっぱり気になってしまう。

    やっぱり、僕も根暗なんだなーと思ってしまう、今日この頃でした。

    ※ちなみに田川 楊枝は、この物語には登場しませんので、あしからず。

    『エピソード1』に続く。
  • 『ケロンパスの言い訳/☆エピソード1☆』
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    ケロンパスの言い訳/☆ケロンパスの言い訳、始めました☆

    2007/06/15 11:30
    臆病になったら止まればいい。
    無理する理由がないならサボればいい。
    どうせ、何事もないかのように、過ごしていくのだから。

    苦笑いが多くなった君は、3年後、どう笑っているのかい?



    肌にチクチクと刺さるような冷たい風が吹き荒れる冬が過ぎて、
    気が付いたら、もう春の暖かい日差しが顔を出し始めていた。

    今年も満開の桜が見れるのかな?
    などと考えながら少しウキウキしながら足早に仕事場に向かう。

    春と言う季節は、
    何かを始めるにも、
    何かを思い出すにも、
    とても良い季節なんだなー
    などと思っているのはオイラだけではないハズなのだ。

    今日は営業の岩田君が考えてきた企画を皆で考える日なのだが、
    はっきり言ってあまり期待はしていない、
    それは、彼が持ってくる企画は面白いのだけど、
    はっきり言って面倒くさい物ばかりだからだ。

    頑張る気持ちはあるんです、なんて言って頑張った所で、
    誰かが誉めてくれるわけでもなく、
    ミスをしたら、知らない誰かにまで文句を言われてしまう。

    そう、オイラ達の仕事と言うのは、
    ミスと言うミスをしないで、
    定時で業務を終わらせる事が何よりも大事なコトなのだ。

    そうすれば、安定した日常は、毎年のように訪れるのだから。

    そう考えたら市役所勤めも悪くない。
    そうオイラ達は公務員な訳ですから・・・・・。

    案の定、熱血マン岩田君の企画はお流れ、
    可哀相だけど、もうチョット簡単で面倒が起こらないようなものがいい。

    それが、みんなの本音だろう。

    いやいや、オイラだって、昔は情熱を持ってましたよ、
    なんて言った所で、言い訳にしかならないのだけど、
    この季節に入ってくる新入社員の「頑張ります」と言う顔を見てしまうと、
    正直、ウザク見えてしまう。

    やっぱり、可愛い子じゃないとテンションは上がらない訳ですよ。
    毎日、毎日、顔を見るたびウキウキ出来る女の子に居てもらいたい訳ですよ。
    そして、欲を言うならば、独身生活にピリオドを打ちたい訳ですよ。
    だって、それが、男の本音だからです。

    そんなオイラが日々増やしていくモノなんてのは、
    チョットした寂しさと、少々の貯金ぐらいなモンで、
    老後に、もらえるかどうか分からない自分の年金の心配をよそに、
    相談に来る、老人に『愛想笑い』をしながら対応しているわけですよ。

    っん?

    オイラが誰かって?

    オイラは、毎日、変な外人がやってくる、しがない市役所で働いている、筒井ですよ。

    今日も定時に仕事を終えて帰宅。
    そんな日常を過ごしてしまっている筒井直希ですよ。

    これは、別にオイラの言い訳の話では、ないですよ。

    まあ、なんて言うんですかね・・・。
    なんとなくですよ、なんとなく。

    物語の初めに意味のないような、いや、意味があるような文章ってあるじゃないですか、
    まあ、そんなモンだと思ってくださいな。

    ラフに生き過ぎたんですかね?
    何でも中途半端なんですよ。

    だから、堅苦しく考えないでね。

    しかしながら、こんな事を思っているオイラでも、
    たまに考えたりするんですよ。

    だから、せっかくココまで読んでみた訳ですから、
    もう少々付き合って、少し想像なんかしてみてくださいよ。

    自分達が予定している花見の日程より少し早く開場の下見に行ってみる。

    なんてコトした事ありませんか?

    そんな時に、一人のお爺ちゃんが、
    何処となく、寂しそうな表情で楽しく馬鹿騒ぎしている若者を眺めていたんです。

    その、お爺ちゃんは、どんな事を考えていたんですかね?

    ごくごく日常で起こりうるワンシーンな訳ですが・・・・。

    そこには、もしかしたら、
    ちょっとしたドラマがあるかもしれません、
    だけど、無いかも知れません。

    満開の桜の下で過ごせる時間は、
    何処となく幸せな時間と
    少しだけ切ない時間を同時に与えてくれるモンですね。

    この物語は、オイラ達の職場に転勤でやってきた小島良助君と、
    その市役所に集まる、ちょっと頭のネジがおかしくなったような人達の
    ある春の季節の日常を切り取ったモンです。

    そこに、ドラマはあるのでしょうか?

    そもそもドラマと言うのは・・・・・。

    まあ、そんなのはいいですね。

    それでは、オイラの恋愛の話は、又、今度と言う事で。

    『筒井直希の大恋愛』スタートです。

    それでは、又、来月。



    『プロローグ』に続く。
  • 『ケロンパスの言い訳/☆プロローグ☆』




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    さかさまの靴80s ☆さかさまの靴を履く人々☆

    2007/05/08 09:00
    いつかの自分を忘れてしまうほど働いて、疲れ果て、立ち止まってしまったり、
    果てし無く、長い道を目の当たりにして、
    そこからの、一歩が踏み出せなく、燻ぶり続けたり、
    そんな、弱い人間を探したら、きっと、いくらでも出てくる。

    感性の違いや、価値観の違いが、
    そもそも、誰に植え付けられたのか、分からないモノが多すぎて、
    本当に正しい事が分からなくなり、
    皆がそれぞれの間違いを何度も何度も繰り返し、生きている、
    所詮、僕等の中に特別な奴なんていないのだから、
    だから、きっと、僕等は変わっていくのだろう。

    欲の前では誰もが無防備になり、ただ、ただ、本能のままに走りだしてしまう。

    ふと我に帰りに、周りを見渡すと、そこには、もう誰も居ない。

    可笑しいと思い、足元を見ると、
    まるで綱渡りをする為の、細いロープのような道で、
    何処までも、長く長く伸びている。

    現実が想像を超えないように、自分が走ってきた道を振り返ってみると、
    突然、訪れる・・・・・・・・・・不安と孤独。

    自分の器の大きさに、一人になって、ようやく気づく、
    だけど、その時には、もう一杯一杯で、どんどん、毀れ始めているんだ、
    早く気づけなかった、自分への後悔と無念さが、
    さらに次への一歩を踏み出させなくする。

    悪循環なのは分かっているのに、どうしても踏み出せない一歩、
    そんな時、どうして僕等は手を合わせ拝んでしまうのだろう?

    神様なんて居ない事は知っているハズなのに・・・・。

    誰かが作った、魔法の言葉にすがりたいのかな?
    それとも現実の恐怖に立ち向かう為には、絵空事の世界が必要なのかな?
    いくら考えても出ない答えに僕は・・・・ただ、ただ、やっぱり、拝んでしまう。

    だけど、本当は分ってもいるんだ・・・・・・・・。
    この世界を作ったのは、神様じゃなくて、
    神様を作った奴らが、作ったって世界だって事も・・・・・・・・・・・・・・・・・。

    だから、僕は「神様と言う名の作り物」が大っ嫌いだ。


    『さかさまの靴80s』へ・・・。
  • 『さかさまの靴80s』


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    さかさまの靴80s☆エピソード 15☆

    2007/05/07 12:29
    数ヵ月後・・・・・。

    街に大きな足跡を残していった台風は跡形もなく消え去っていた。
    陸を越え海に帰っていった空の暴れん坊は、何も持ち帰ったのだろう?

    少し、高い所から見える海は穏やかで、
    何事もなかったかのように街は活気で溢れかえっていく。

    青く輝く太平洋。
    僕等が息苦しくなるような海の中には、
    光が届かない、真っ暗な世界があるのかも知れない。
    そんな暗闇の中で光を失った魚は、何を求めて陸を目指したのだろう?

    陸の上で、さかさまの靴を履き続ける人々は、
    初めは、何処に向かって行きたかったのだろう?

    ただ、季節はずれに漁師に釣られ要らないと捨てられたハコハゼは、
    居場所を間違えてしまった悲しい姿で死んでいる様に見えた。

    コレは、あるバーに閉じ込められてしまった。

    波瀬洋平と言う名の男の物語。


    『僕は誰よりも君の事を知っている』

    『だけど』

    『君は僕の事なんか覚えていないだろう。。。』

                                          おしまい。





    『さかさまの靴を履く人々』・・・・。
  • 『さかさまの靴80s/☆さかさまの靴を履く人々☆』
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    さかさまの靴80s☆エピソード 14/2☆

    2007/05/07 08:37
    子供の頃に描いた夢を僕は、どれだけ覚えているのだろう?
    叶えたかった夢の残骸は、誰が受け継いでくれるのだろう?

    僕達は、いつまで・・・・。

    『忘れたフリ』と『見えないフリ』を続けていくのだろう?


    波瀬の前に立っている、ハッピを着たピエロのハピ。
    その姿は・・・・・。
    今は何処にでもいる普通の青年の姿に変わっていた。

    今まで見たこともないような姿になってしまったハピを見た波瀬は、
    大きく口を開けた。

    そして、自分の意思とは関係なく『言葉』飛び出した。

    「クスオ?」

    波瀬の頭の中に在った見えない霧のようなモノが一瞬に晴れていく。
    それは、今まで自分の奥にしまってあった記憶が蘇るような感覚だった。

    波瀬は目玉を左右にキョロキョロ動かして呟いた。

    「あれ・・・・・可笑しいな・・・・可笑しいだろ、これは」

    慌てふためく波瀬の姿を「クスオ」と言う名のハピはニコニコしながら見据え言った。

    「どげんした?」

    すると、波瀬は・・・。

    「いや、そんなハズない・・・・お前・・・誰だよ?」

    と、精一杯、強がって見せた。

    クスオは波瀬から目を逸らす事はなく、
    少し遠い所を見ているような視線で見つめている。
    その瞳は 『それは、波瀬ッチが一番分っとる事やないとね?』 と言いたそうだった。

    激しく動揺している波瀬の体は、地震が起きたような激しさで上下に動き、
    まともに喋る事さえも出来なくなった口から放たれた言葉は、
    水の中でコモってしまうような、そんな音しか出なくなっていた。

    波瀬はその濁った言葉でクスオに聞いた。

    「アレ?・・・クスオ、俺は・・・・何回、生きたんだ?」

    すると、クスオは。。。

    「思い出したね?」

    と言って、ニッコリ微笑んだ。

    波瀬は一度、俯き、もう一度クスオに質問をしようと言葉を投げかけた。

    「お前は全部、知ってたのかよ?」

    が。。

    そこには、クスオと言う名の青年の姿はなく、今まで居たハピの姿があった。

    ハピは、とても気持ち悪い笑顔を見せた後に。

    「当たり前やろ・・・・・・俺は、昔のお前なんやから」

    と、波瀬の質問に答えた。

    しばらく何も喋らないハピは、静かに波瀬に近寄ると・・・・。

    「・・・無い頭で、いろんな事を考えすぎたんやね」

    と言って、静かに波瀬の頭に手を置いた。

    波瀬の頭の中は、もう正常ではなかったのかも知れない。
    それは、死を目前とした人間が見る最後の幻想だったのかも知れない。
    だけど、それが、本当なのかウソなのかは・・・・。
    きっと、自分自身にしか分からないのだと思う。

    波瀬は最後の気持ちの整理をしたいかのように話し出した。

    「・・・・・俺達はどうして、こんなに違うんだろうな?」

    ハピは、そんな波瀬を見て、少し寂しそうに答えた。

    「それは、きっと・・・・・・分かり合う為・・・やないかな」

    そんな答えを聞いた波瀬は、
    すがる様な表情と大きな声でハピに言った。

    「じゃあ、俺達は分かり合えたのかよ?」

    すると、ハピは、右手の親指と中指でパチンと音を鳴らすと、周りを見渡した。
    そこには、波瀬が今まで出会った人々が、波瀬を囲むように並んで立っていた。

    そんな人々を見渡しながらハピは・・・。

    「・・・・・・・・・・どうだか」

    と、答えにもならない言葉を吐いた。

    波瀬の瞳は真っ赤に腫れ上がり、大きく震えていた体は、少し小さくなっていくように見えた。
    そんな状態で波瀬はハピを見ながら聞いた。

    「なんだよ・・・すべては、絵空事なのかよ?俺は自分で雁字搦めになってたのかよ?」

    ハピは、子犬のようにキャンキャン叫ぶような波瀬の姿を見て、
    ケラケラと笑ながら、そこに居る全ての人々に聞こえるくらいの大きな声で叫んだ。

    「そりゃそうやろ、だって、あんたが・・・いや俺達が作った世界やろ、ここは」

    楽しそうに踊り、悲しそうに笑うピエロの姿は、滑稽そのものだった。

    ハピの姿を見ている波瀬の口元は次第に・・・。
    真っ赤に腫れ上がった瞳とは裏腹に微笑んでいるように見えてきた。
    そして、その口から、まるで狂ったような言葉を投げかけた。

    「おかしいよな、だからか、だから、俺は・・・お前の事が大っ嫌いなんだな」

    するとハピは波瀬にだけ聞こえるくらいの小さな声で呟いた。

    「どげんやったね?三回目の景色は?」

    波瀬は自分の周りに薄っすら見える人々を眺めながら、
    笑顔と苦痛の表情が交じり合ったような顔をしながら答えた。

    「・・・・・真っ暗だったよ」

    そんな波瀬を見たハピは、少し愛想笑いをしながら、又、呟いた。

    「そっか・・・・じゃあ、次はどんな景色を見てみようか??」

    波瀬は、何かの光で反射して輝いている鏡を見ながら、
    まるで、海の底から、その光が差す方向に泳いでいくような気持ちになりながら答えた。

    「もう、真っ暗な海の中は嫌だな・・・疲れるだろ・・・所詮は作り物だったとしてもさ」

    初めて、波瀬の本音が聞けたような気分になったハピは、
    波瀬の言葉を聞いたとたん、大きな声でゲラゲラ笑い始めて大きな声で叫んだ。

    「そやね、ひひっひっひひひっひ、でも、アンタは、何度でも、何回でも、色んな事を想像できるんよ」

    そんな、ハピの姿を見た波瀬は、今まで出した事のないくらいの大きな声を出して叫んだ。

    「うるせーよ!!俺は、そんなに適当に思ってたわけじゃねーよ」

    そして、少し寂しそうな顔をした後に。
    まるで、鏡の中の自分にすがるような表情をして

    「・・・なあ?」

    と言葉を投げかけた。

    だが、波瀬の言葉を、もう聞こうとしないハピは狂ったように笑い続けていた。
    そして、ダーツを投げながら、「しょーもない」「つまらーん」と叫んでいた。

    波瀬は、そんなハピを見ながら・・・静かに呟いた。

    「なんで俺は、こんな生き方を選んだんだ・・・悪いのは・・・全部、俺じゃねーかよ」

    そして。。。。。

    自分の事に、まるで興味をなくしてしまったハピを見ながら。

    「なんで、俺は、こんなに笑ってんだ・・・笑いたいわけじゃねーんだろ」

    と、言って俯いた。

    暗闇の中、ハピの笑い声が、バーに響き渡る。

    『ははっははっああっはは、ひひっひひひっひ』

    そして、最後に、こんな声が・・・・・バーには、こだましていた。

    「本当、俺達が作ったモンなんて、ろくなもんじゃねーな、ひっひっひひ、ひゃっほーい」

    バーの扉から、水が押し寄せてくる。
    その水は、全て流し去るような、全てを包み込んでくれるような、
    限りなく透明に近い黒と白が混ざったグレーの色をしていた。

    そんなグレーの水に飲み込まれていく波瀬。

    その顔は、申し訳なさと、何処か幸せそうな顔が混ざっているように見えた。



    面白いモノなんか、楽しいモノなんか・・・・・
    本当は何処を探しても見つからないのかもしれないない。

    大切なコトは、自分が、どう思えるか?

    そんなもんなのかもしれない・・・・・・・・・。










    『波瀬ッチ・・・・』

    『波瀬ッチは最後の瞬間』

    『どんな世界を創造したんだい?』


    『エピソード/15』に続く。
  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 15☆』


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    さかさまの靴80s☆エピソード14/1☆

    2007/05/06 02:28
    〜ひっくり変える世界〜

    何も見えない、真っ暗な世界の中、波瀬は静かに目を開いた。

    そして、現実を受け入れて、呆然と立つ尽くしてしまった。

    波瀬は、何も考えられなくなり夢遊病患者のように暗闇の中を彷徨っていると、
    ポツンと、何かの光で反射している鏡が目に入った。

    波瀬は、無意識の内に、そこに近寄り、
    鏡に映っている自分の顔を覗き込むように眺めてみた。

    そこには、まるで死んでしまった魚のような瞳が、じっと自分を見つめているように見えた。
    そんな、自分の姿を見た波瀬は、静かに呟いた。

    「誰だ、こいつ?・・・なんて顔してんだよ、なんて目してんだよ・・・俺は・・・そんなに変わったかな?」

    すると、暗闇の奥から、10年前に出会った奴等の笑い声が頭の中に響き渡った。

    そんな声を聞いた波瀬は、暗闇の中、手当たり次第に暴れだした。
    そして、大きな声で叫んだ。

    「出てくんなよ、お前ら!!・・・なんで、なんも変わんねーんだよ、俺だけじゃねーかよ・・・なに、やってんだ、俺は・・・騙し取った金で・・・マスターなんかやってよ・・・何、やってたんだよ・・・なんもねーよ・・・くだらない・・・くだらねーよ」

    その姿は、波瀬が幼い頃、どうしようもない現実が降って来た時に起こした姿とダブって見えた。


    波瀬は、暗闇の中、椅子らしき物を掴むと、
    自分を映している鏡がうっとしく思えて殴りかかろうとした。

    が・・・・。

    どうしても、鏡を叩き割る事が出来なかった。
    そこには、『まるでピエロのような自分の姿』があったからだ・・・・。

    そんな姿を見た波瀬は・・・・・呆然と立ち尽くしてしまい、こう呟いた。

    「まるで・・・・・俺はピエロだな」

    そのまま、崩れ落ちるように、しゃがみこんでしまう波瀬。

    すると、この空間を覆っていた黒い霧が少しずつ晴れていくように、
    少しずつ、バーが姿を現していった。

    そして、いつも頭の中に聞こえていた、あの声が波瀬の後ろから聞こえてきた。

    「鏡なんて壊しても、なんも変わらんやろ?」

    波瀬は、背中越しから聞こえる声の方に静かに首を回した。
    すると、そこには、ハピがケラケラと笑いながらカウンターに座っていた。
    波瀬は何か言いたかったが、ただ、見つめる事しか出来なかった。

    そんな波瀬の姿を見たハピは、面白そうな顔をして話し続けた。

    「アレ、なんつーんやろうね・・・フラッシュなんとかバック・・・どげんやったね?おもろかった?
    最後の方は、俺も、ちょっと遊んじゃったンやけどね」

    波瀬には、ハピは言っている事が、なんとなく分かっていた。
    それは、自分が歩いて来た道だったから。
    少しぐらい、遊ばれても、結末が変わらないことぐらい・・・・。

    何も話そうとしない波瀬にハピは、こう尋ねた。

    「アンタは、本当に、こんな結末で良かったっちゃろうか?」

    波瀬の頭の中では、現実と虚構の世界が入り混じっていた。
    そして、ある程度の事は理解できるようになっていた。

    やはり、何も答えない波瀬にハピは、いつもより多く喋りかけた。

    「なんね・・・・やっぱ、後悔しとったんやね」
    「他人の事なんか、忘れちゃえばよかろうもん、忘れちゃえよ・・・
    金がなくても、後悔せんように、出来たら良かったのに、のーー!!」

    そして、大きな声でこう叫んだ。

    「もう一回、やり直すね?・・・でも、やらんやろうねー波瀬ッチは」

    自分の事を見透かしたかの様に喋りかけてくるハピに
    波瀬は、押さえていた感情が、少しずつ、あふれ出していった。

    そして、ハピに尋ねた。

    「本当は最初から、わかってたんだよ、こうなる事なんて・・・・俺は海の中にいる魚と一緒だから、
    だけど、何が悪いんだ?なにが悪いんだよ?・・・・流れに逆らう事がそんなに悪いのかよ?」

    ハピは少し難しそうな顔をして「んー」と考え込んだ。

    そんなハピに波瀬は、さらに続けた。

    「俺は・・・本気で、そう思ってたんだけどな・・・なのに、どうして駆け上がった場所も、息苦しかったんだろう?」

    ハピは、何か思いついたような顔をして、ニッコリしながら波瀬に聞いた。

    「這い上がりたかったんや?波瀬ッチは」

    すると、波瀬は、いつもより、少し大きな声で答えた。

    「そうじゃない、俺は、ただ、今度は、あの時みたいに後悔したくなかっただけだよ」

    その言葉を聞いたハピは、少しトーンを落として波瀬に言った。

    「あの時って、不器用すぎるやろ、波瀬ッチは・・・・・。
    そんなに臆病になってしまうんやったら、どうして途中で、止まれんかったんやろね、
    無理する理由が見つからんのに、どうして、途中で、やめれんかったんやろね?」

    波瀬は、その質問に、すぐに、こう答えた。

    「仕方ないだろう」

    すると、ハピは大きな声で笑いながら波瀬の顔を、じっと眺めて言った。

    「仕方ないか・・・っはっはは、本当にそうやかね?
    波瀬ッチは何回、そうやって言い続けてきたんやろ?
    こうするしかなかった、いや、こうせんといかんかった、
    いつも誰かに言い訳して、本当は違うと自分に言い訳して、
    やりたい事が見んくなって、アンタには何が残ったんよ?」

    波瀬は、まるで、自分に言い訳しているような気分になっていたが、
    溢れ出した感情はさらに言葉を続けさせた。

    「俺は、ただ、妹に合いたかっただけだよ」

    怒鳴るように自分の言葉を投げた波瀬に対してハピは、
    真顔になって答えた。

    「そやね、やけど、・・・波瀬ッチに妹なんておらんやろ」

    波瀬の目は大きく開き、動揺はした体は大きく震え始めていた。
    そして波瀬はハピに、すがる様に言葉を投げた。

    「・・・・ちょっと待てよ」

    すると、ハピは、今まで見たことのないような鬼のような形相で怒鳴るように言った。

    「波瀬ッチー・・・・俺には見栄、張んなよ」

    波瀬は、怒鳴られた事と、一番、触れられたくない真実が自分に襲い掛かってきた事で、
    まるで子供のような声でハピに言った。

    「・・・なんで俺には居場所がなかったんだろ?」

    子供がダダを捏ねているような姿の波瀬を見たハピは、いつか見せたダンスしながら歌いだした。

    「最初から自分にあった居場所なんか、ない、ない、ない〜、
    だから、みんな、必死になって自分の居場所を作るんやろ?」

    そのリズムに乗って波瀬は言葉を投げかけた。

    「分かったような事、言うなよ、居場所の作り方なんか誰も教えてくれねーじゃねーかよ!!」

    するとハピは。

    「そやね、それでも、きっと、きっと・・・作るしかないやいんやないかなー」

    といって歌うのをやめた。

    そして、波瀬とハピは、初めて会話らしい会話を始めた。

    波瀬 「俺が悪いのかよ?作れない奴だっているだろ」
    ハピ 「んー」
    波瀬 「最初から、恵まれた環境にいる奴等に、俺の気持ちなんか、わからねーよ」
    ハピ 「だってさー、波瀬ッチは他人に興味がないんやろ?」
    波瀬 「・・・」
    ハピ 「やったら、他人もあんたに興味なんて、あるわけなかろうもん」
    波瀬 「・・・あいつ等が最初に俺の事を見なくなったんだ」
    ハピ 「シャラップ、それ、言ったら、きりないやろ」
    波瀬 「・・・」
    ハピ 「みんな、我慢しとっとよ、自由に生きとる奴を探す方が難しかろうもん」
    波瀬 「・・・・・本当に、そうかな?」
    ハピ 「マジになんなや、あんたも、本当はわかっとっちゃろ」
    波瀬 「何をだよ」
    ハピ 「後悔なんて・・・ただのコトバに過ぎんって事ぐらい」
    波瀬 「・・・・・・」
    ハピ 「だけん、あんたは、マスターなんかやって、俗世間を見続けようと思ったんじゃないとね」
    波瀬 「違う」
    ハピ 「そうやって、俺と一緒に、抵抗ば、してみたんじゃないとね??」
    波瀬 「違うんだ」
    ハピ 「そげん言って、波瀬ッチは、忘れたフリしとるだけやろ、見えないフリしとるだけやろ?」
    波瀬 「違う、そうじゃない」
    ハピ 「やったら、あんたから見た俺は、どう見えるんよ?」

    すると・・・・。

    波瀬にはハピの顔が、ある男の顔に見えてきた。



    『エピソード/14/2』に続く。
  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 14/2☆』


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    さかさまの靴80s☆エピソード 13☆

    2007/05/05 08:29
    駅の近くにある、地下のバー。

    地下のバーの中には床に倒れて込んでいる波瀬の姿がある。

    そんな可笑しな光景を無視するかの様に中央に見えるテーブルでは、
    80年代生まれのような大人になりきれていない人々がテーブルを囲んで、くだらない話をしている。

    それは、今、まさに乾杯の終わったかのような、にぎやかな感じに見える。

    自分の意思とは関係なく体が起き上がっていく波瀬。
    それは、誰かに糸で操られているかのような感覚だった。

    よくよく、周りを見渡すと、その若者達の顔が見える。
    それは、昔、見た事のある面々だった。

    笹井によく似た顔の若者が波瀬を見ると、ケラケラと笑い出しながら波瀬に、こう尋ねた。

    「お前、後悔してるのかよ?」

    波瀬は、その空間に耐えられなくなり急いで外に出て行こうと思った。

    が・・・。

    どうしても体が動かない。

    波瀬は、身動きが取れない状態で大きく叫んだ。

    「お前・・・誰だよ?」

    すると、波瀬の視界は、まるで、海の底に落ちてしまったかの様な
    真っ暗な世界に変わっていった。


    『きっと僕達は後悔した回数だけ素晴しい事を想像できる』
    『そうじゃないと平等じゃないから・・・・・・・』
    『だから僕は最後に笑っていたんだと思うんだ』




    『エピソード/14/1』に続く。
  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 14/1☆』


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    さかさまの靴80s☆エピソード 12☆

    2007/05/04 08:25
    12月/下旬・・・山川村

    遠くに古い集会場のようなモノが見える。

    村の外には、風の音だけが響き渡り、虫達の鳴き声は、
    次の季節を待つかの様に静まり返っていた。

    そんな中。

    大きな銃声の音が響き渡った。

    その音は、まるで。

    誰かに、自分がココに確かにいた事を証明したいかのごとく
    大きく、そして、高々に空の中に消えていった。

    しばらくすると、古い集会場のような建物の中から、若い青年が
    大きなスコップを持ちながら
    一人の男を背負って何処かに歩いていった。

    その青年は、ケラケラと笑いながら『赤とんぼ』の唄を口ずさんでいた。

    そして、その光景を僕は・・・・・。

    波瀬洋平は静かに何もせずに・・・・。

    ただただ、眺めていたんだ。

    くだらない・・・・。
    何も変わらない・・・・。
    そんな僕の新しい年月が、もう少しで始まる時。

    誰かの時間はココで終わりを迎えた。



    君が想っていた世界はどんな景色だった?
    君が選んだ選択肢は、君に、どんな景色を見せてくれた?

    僕等が想像した世界は・・・・何処に行けば存在するのだろう?

    『エピソード/13』に続く。
  • 『さかさまの靴80s/☆エピソード 13☆』


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    タイトル 日 時
    さかさまの靴80s☆エピソード 11☆
    2時間前・・・地下のバー。 ...続きを見る

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    2007/05/03 10:17
    さかさまの靴80s☆エピソード 10/2☆
    黙っていても、なにも変わらない。 壊れるほど叫んでみても、きっと、君には届く事はないのだろう。 ...続きを見る

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    2007/04/30 16:35
    さかさまの靴80s☆エピソード 10/1☆
    10年前・・・12月。 ...続きを見る

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    2007/04/26 10:56
    さかさまの靴80s☆エピソード 9☆
    3時間前・・・地下のバー。 ...続きを見る

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    2007/04/25 09:00
    さかさまの靴80s☆エピソード 8☆
    10年前・・・11月。 ...続きを見る

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    2007/04/23 12:18
    さかさまの靴80s☆エピソード 7☆
    4時間前・・・地下のバー。 ...続きを見る

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    2007/04/22 12:59
    さかさまの靴80s☆エピソード 6/3☆
    古い集会場に窓から赤い光が差し込んでいる。 夕日が、波瀬の大きな影を作っていた。 その影は、まだ蹲ったままだった。 ...続きを見る

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    2007/04/20 09:41
    さかさまの靴80s☆エピソード 6/2☆
    古い集会場に残っている2人。 ...続きを見る

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    2007/04/19 10:31
    さかさまの靴80s☆エピソード 6/1☆
    10年前・・・・山川村/10月。 ...続きを見る

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    2007/04/17 10:58
    さかさまの靴80s☆エピソード 5/3☆
    いつからだろう? ハグルマが噛み合わなくなったのは? ...続きを見る

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    2007/04/16 02:08
    さかさまの靴80s☆エピソード 5/2☆
    蕨と笹井・・・。 ...続きを見る

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    2007/04/15 01:58
    さかさまの靴80s/☆エピソード 5/1☆
    10年前・・・・山川村/9月。 ...続きを見る

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    2007/04/14 10:47
    さかさまの靴80s/☆エピソード 4☆
    7時間前・・・。地下のバー。 ...続きを見る

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    2007/04/13 09:04
    さかさまの靴80s/☆エピソード 3☆
    10年前・・・・・山川村/8月。 ...続きを見る

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    2007/04/12 09:52
    さかさまの靴80s/☆エピソード 2☆
    8時間前・・・・・。地下のバー。 ...続きを見る

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    2007/04/11 08:45
    さかさまの靴80s/☆エピソード 1☆
    明日は必ずやってくる。 ...続きを見る

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    2007/04/10 08:57
    さかさまの靴80s/☆エピソード 0☆
    『僕は誰よりも君の事を知っている』 『だけど・・・・』 『君は僕の事なんて覚えていないだろう』 ...続きを見る

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    2007/04/09 02:25
    さかさまの靴80s/☆モノローグ☆
    さかさまの靴80s/☆モノローグ☆ ミカタを変えたら、世界はひっくり返る ...続きを見る

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    2007/04/08 04:40

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